激痛の尿路結石を引き起こす尿酸とカルシウムの不都合な真実
三大激痛の1つ、尿路結石。
なんで男性に多いの?
なんで石ができちゃうの?
どんな治療するの?
ならないためにはどうしたらいい?
金井 進さんによる尿路結石 カルシウム尿路結石(にょうろけっせき)は、尿路にできる結石であり、非常に強い痛みを伴うことが多いです。
以下に、尿路結石が男性に多い理由、石ができる原因、治療法、予防策について詳しく説明します。
尿路結石が男性に多い理由
- 解剖学的な違い:男性の尿路は女性よりも長く、尿の流れが滞りやすいため、結石ができやすい環境が整っています。
- ホルモンの影響:男性ホルモン(アンドロゲン)はカルシウムの代謝や尿の酸性度に影響を与え、結石形成のリスクを高めます。
- 生活習慣:男性は女性に比べて高たんぱく質、高塩分、高脂肪の食事を摂る傾向があり、これらの要因も結石形成に寄与します。
尿路結石ができる原因
尿路結石は以下の要因で形成されます:
- 水分摂取不足:十分な水分を摂らないと尿が濃縮され、結石の形成が促進されます。
- 食事:高タンパク質、高塩分、高糖分の食事が結石のリスクを高めます。特に動物性タンパク質やシュウ酸(ほうれん草や紅茶に含まれる)を多く摂取すると結石ができやすくなります。
- 遺伝的要因:家族に結石の既往がある場合、リスクが高まります。
- 代謝異常:尿酸やカルシウムの代謝異常があると結石ができやすいです。
- その他の病気:高尿酸血症や副甲状腺機能亢進症なども結石形成のリスクを増加させます。
尿路結石の治療法
治療は結石の大きさや位置、症状の重さによります:
- 水分摂取と鎮痛剤:小さな結石の場合、水分を多く摂り、自然に排出させることが試みられます。痛みがある場合は鎮痛剤が処方されます。
- 薬物療法:尿路を広げたり、結石を溶かしたりする薬が使われることがあります。
- 体外衝撃波結石破砕術(ESWL):体外から衝撃波を当てて結石を粉砕し、小さな破片にして尿と共に排出させます。
- 内視鏡手術:内視鏡を使って直接結石を取り除く手術です。結石が大きい場合や、他の方法で排出できない場合に行われます。
- 開腹手術:非常にまれですが、他の方法が失敗した場合に行われることがあります。
尿路結石の予防策
予防策として以下の点が重要です:
- 十分な水分摂取:1日に少なくとも2〜3リットルの水を飲むことが推奨されます。
- バランスの取れた食事:高タンパク質、高塩分、高脂肪の食事を避け、野菜や果物を多く摂るように心がけます。
- 適度な運動:運動不足は尿の流れを悪化させるため、適度な運動を心がけることが重要です。
- 定期的な検診:結石の早期発見と適切な対策を講じるために、定期的な健康診断を受けることが推奨されます。
具体例
例:40歳の男性、Aさんの場合
- 背景:Aさんは仕事が忙しく、水分摂取が不足しがちで、肉中心の食生活を送っています。また、家族に尿路結石の既往があります。
- 症状:突然の腰部の激痛と血尿が見られ、病院を受診しました。
- 診断:CTスキャンにより右尿管に5mmの結石が確認されました。
- 治療:鎮痛剤と利尿薬が処方され、水分を多く摂るよう指示されました。2週間後、結石は自然排出されました。
- 予防策:医師からは、1日に3リットルの水を飲むこと、バランスの取れた食事、適度な運動を推奨されました。また、半年ごとの定期検診を勧められました。
尿路結石の予防には、日常の生活習慣が非常に重要です。
早期発見と適切な対策を講じることで、尿路結石のリスクを大幅に減らすことができます。
尿酸とカルシウムがヒトに与えるメリット、デメリット
尿酸とカルシウムは、体内で重要な役割を果たしますが、バランスが崩れると健康に悪影響を及ぼします。
それぞれのメリット、デメリット、過剰や減少で引き起こされる病気について、具体的な例を交えて詳しく説明します。
尿酸
メリット
- 抗酸化作用:尿酸は強力な抗酸化物質であり、体内のフリーラジカルを中和する役割があります。
- 神経保護:尿酸は神経細胞を保護する効果があり、神経変性疾患のリスクを減らす可能性があります。
デメリット
- 痛風:尿酸が高いと結晶化し、関節に沈着して炎症を引き起こします。これが痛風です。
- 腎結石:高尿酸血症は尿路結石のリスクを高めます。
尿酸の過剰による病気
- 痛風:尿酸が関節に沈着し、激しい痛みと腫れを引き起こします。
- 例:50歳の男性Bさんは、足の親指の付け根に激しい痛みと腫れを感じ、病院で痛風と診断されました。血液検査で尿酸値が高いことが確認されました。
- 腎結石:尿酸が尿中で結晶化し、結石を形成します。
- 例:40歳の女性Cさんは、側腹部の激痛と血尿を経験し、検査で腎結石が見つかりました。高尿酸血症が原因でした。
尿酸の減少による病気
尿酸の減少は一般的には問題となることは少ないですが、極端に低い場合、抗酸化能力の低下により、酸化ストレスが増加する可能性があります。
カルシウム
メリット
- 骨と歯の健康:カルシウムは骨や歯の主要な構成要素であり、強度を保つために不可欠です。
- 筋肉機能:カルシウムは筋肉の収縮と弛緩を助けます。
- 血液凝固:血液凝固に必要な要素です。
- 神経伝達:神経信号の伝達に関与します。
デメリット
- 結石形成:過剰なカルシウムは腎臓で結晶化し、結石を形成します。
- 心血管リスク:過剰なカルシウム摂取は血管にカルシウムが沈着し、心血管疾患のリスクを高めることがあります。
カルシウムの過剰による病気
- 高カルシウム血症:カルシウムが過剰になると、筋肉の弱化、疲労、吐き気、便秘、心拍の異常などが生じます。
- 例:60歳の男性Dさんは、疲労感と便秘が続いたため病院を受診しました。血液検査で高カルシウム血症と診断され、副甲状腺機能亢進症が原因でした。
- 腎結石:尿中のカルシウム濃度が高いと結晶化し、腎結石を形成します。
- 例:35歳の女性Eさんは、側腹部の激痛と血尿を経験し、検査で腎結石が見つかりました。食事にカルシウムサプリメントを過剰に摂取していたことが原因でした。
カルシウムの減少による病気
- 骨粗鬆症:カルシウムが不足すると骨が弱くなり、骨折しやすくなります。
- 例:70歳の女性Fさんは、軽い転倒で股関節を骨折し、骨密度測定で骨粗鬆症と診断されました。カルシウム摂取が不十分だったことが原因です。
- テタニー:血液中のカルシウムが極端に低下すると、筋肉が不随意に収縮するテタニーが起こります。
- 例:30歳の男性Gさんは、手足の痙攣としびれを感じ、病院で血液検査を受けた結果、低カルシウム血症と診断されました。甲状腺手術後の副甲状腺機能低下が原因でした。
まとめ
尿酸とカルシウムは適切なバランスが重要で、過剰や不足がそれぞれ異なる健康問題を引き起こします。バランスの良い食事と定期的な健康チェックが、これらの問題を防ぐために重要です。
尿酸とカルシウムが過剰、減少する原因は?
尿酸とカルシウムの過剰や減少は、さまざまな原因によって引き起こされます。
以下に具体的な例を用いて、それぞれの原因について詳しく説明します。
尿酸
尿酸が過剰になる原因
- 高プリン食の摂取:プリン体を多く含む食品(赤肉、シーフード、内臓肉など)の摂取が尿酸値を上昇させます。
- 例:50歳の男性Hさんは、ビールや焼き肉が大好きで頻繁に摂取していました。その結果、尿酸値が高くなり、痛風を発症しました。
- 肥満:体重が増加すると尿酸の生成が増え、排泄が減少します。
- 例:45歳の男性Iさんは、運動不足と高カロリー食の結果、体重が増加しました。それに伴い、尿酸値も上昇し、痛風の発作を経験しました。
- アルコール摂取:アルコールは尿酸の排泄を妨げ、特にビールはプリン体が多いため、尿酸値を上昇させます。
- 例:35歳の男性Jさんは、毎日ビールを飲む習慣があり、血液検査で尿酸値が高いことが判明しました。
- 腎機能低下:腎臓の機能が低下すると尿酸の排泄がうまくいかず、血中尿酸値が上昇します。
- 例:60歳の女性Kさんは、慢性腎臓病を患っており、尿酸値が高くなっていました。
尿酸が減少する原因
- 遺伝的要因:特定の遺伝子変異により尿酸の生成が少ないことがあります。
- 例:30歳の女性Lさんは、血液検査で尿酸値が異常に低く、遺伝子検査で尿酸代謝に関与する遺伝子の変異が見つかりました。
- 薬物の影響:特定の薬(尿酸排泄促進薬や一部の降圧薬)は尿酸値を下げる効果があります。
- 例:40歳の男性Mさんは、高血圧治療のために降圧薬を使用しており、定期検査で尿酸値が低いことが確認されました。
カルシウム
カルシウムが過剰になる原因
- 過剰なカルシウムサプリメントの摂取:サプリメントを過剰に摂取すると、血中カルシウム濃度が上昇します。
- 例:55歳の女性Nさんは、骨粗鬆症予防のためにカルシウムサプリメントを多量に摂取していましたが、血液検査で高カルシウム血症と診断されました。
- 副甲状腺機能亢進症:副甲状腺ホルモンの過剰分泌により、骨からカルシウムが放出され血中カルシウムが増加します。
- 例:65歳の男性Oさんは、疲労感と頻尿を訴え病院を受診したところ、副甲状腺機能亢進症が原因で高カルシウム血症が確認されました。
- ビタミンD過剰摂取:ビタミンDが過剰になると、腸からのカルシウム吸収が増加します。
- 例:45歳の女性Pさんは、ビタミンDサプリメントを過剰に摂取し、血中カルシウム値が上昇しました。
カルシウムが減少する原因
- カルシウム摂取不足:食事からのカルシウム摂取が不足すると、血中カルシウム濃度が低下します。
- 例:30歳の男性Qさんは、乳製品を避ける食生活を続けた結果、血中カルシウム値が低く、骨密度も低下しました。
- ビタミンD欠乏:ビタミンDが不足すると、腸からのカルシウム吸収が低下します。
- 例:40歳の女性Rさんは、日光をあまり浴びず、ビタミンDが不足していたため、血中カルシウム値が低下していました。
- 副甲状腺機能低下症:副甲状腺ホルモンの分泌が不足すると、血中カルシウム値が低下します。
- 例:50歳の男性Sさんは、甲状腺手術後に副甲状腺機能低下症を発症し、血中カルシウム値が低下しました。
- 腸疾患:クローン病やセリアック病など、カルシウム吸収障害を引き起こす腸疾患が原因でカルシウム不足になることがあります。
- 例:35歳の女性Tさんは、クローン病を患っており、腸からのカルシウム吸収が不十分で血中カルシウム値が低下していました。
まとめ
尿酸やカルシウムの過剰や減少は、食事、生活習慣、遺伝的要因、その他の病気などさまざまな要因によって引き起こされます。
バランスの取れた食事、適切なサプリメントの摂取、定期的な健康チェックが、これらの問題を防ぐために重要です。
東洋医学、鍼灸治療からひと言
今回の「激痛の尿路結石を引き起こす尿酸とカルシウムの不都合な真実」はいかがだったでしょうか?
一般的には、尿路結石を引き起こす食事として、高タンパク質、高塩分、高糖分の食事が原因とされ、とても大切なポイントです。
しかし、今回は、尿酸とカルシウムに話を展開してみました。
食事は、総合して考えることが本当に重要だと思う今日この頃です。