緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛の発症原因から対処症、予防法まで完全網羅
「群発頭痛」 あまり聞き慣れない言葉だけど、病気ですか?
一般的な頭痛とどう違う?
群発頭痛になる人はどういう人?
その原因は?
対処法あるの?
完治するの?
金井 進さんによる緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛「群発頭痛」とは、非常に激しい痛みを伴う頭痛の一種であり、特定の期間に集中的に発生するのが特徴です。以下に、群発頭痛について詳細に説明します。
Contents
群発頭痛とは?
群発頭痛は、以下のような特徴を持つ頭痛です:
- 激しい痛み:通常、片側の目の周囲やこめかみ、額に非常に強い痛みを感じます。痛みは「ドリルで穴を開けられるような」と形容されることが多いです。
- 群発期:頭痛は一定の期間に集中的に発生します。これを「群発期」と呼び、数週間から数ヶ月続くことがあります。この期間は1日に1回から数回の発作が起こることがあります。
- 規則性:頭痛の発生はほぼ毎日同じ時間帯に起こることが多いです。特に夜間や睡眠中に起こることが多いです。
一般的な頭痛との違い
- 緊張型頭痛:緊張型頭痛は頭全体に圧迫感や締め付け感を感じるもので、ストレスや姿勢の悪さが原因となることが多いです。
- 片頭痛:片頭痛は脈拍と同期するズキズキした痛みを伴い、通常は数時間から数日続きます。また、光や音に対する感受性が増すことがあります。
- 群発頭痛:群発頭痛は非常に強い痛みを短時間(15分から3時間)感じ、一定の期間に集中して起こります。他の頭痛とは異なる周期性と強烈な痛みが特徴です。
群発頭痛になる人
群発頭痛は比較的稀な疾患であり、以下のような傾向があります:
- 性別:男性に多く見られます。男女比は約6:1とされています。
- 年齢:主に20代から40代の間に発症することが多いです。
- 生活習慣:喫煙者やアルコール摂取量が多い人に多いとされています。
原因
群発頭痛の正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています:
- 脳内の血管の異常:特に三叉神経に関連する血管の拡張が関与しているとされています。
- 神経の異常:視床下部の異常が関与している可能性があります。
- 環境要因:アルコールやタバコ、特定の食品や気圧の変化などがトリガーとなることがあります。
対処法
- 薬物療法:
- 急性期治療:トリプタン製剤(スマトリプタンなど)、酸素療法、高流量の酸素吸入(7-12リットル/分)など。
- 予防療法:ベラパミル、リチウム、ステロイドなどの予防薬が用いられます。
- 生活習慣の改善:
- アルコールや喫煙の制限。
- 規則正しい生活リズムを保つ。
完治するのか?
群発頭痛は完治することが難しい疾患ですが、適切な治療と管理により、症状をコントロールすることが可能です。
発作期の治療と予防薬の併用により、痛みの頻度や強度を軽減することができます。
頭痛には様々な種類があり、それぞれの症状、発症機序、治療法、予防法が異なります。ここでは、主な頭痛の種類である片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛の三つについて詳しく説明します。
主な頭痛の種類の割合は?
- 緊張型頭痛: 職場500人中約390人(78%)、男女差は少ない。
- 片頭痛: 職場500人中60-75人(12-15%)、女性に多く、3倍の発症率。
- 群発頭痛: 職場500人中約0.5人(0.1%)、男性に多く、4倍の発症率。
1. 緊張型頭痛
症状:
- 頭全体に感じる圧迫感や締め付け感
- 痛みは軽度から中等度
- 目の疲れや肩こりを伴うことが多い
緊張型頭痛を引き起こす生活習慣や要因の例:
- 長時間のデスクワーク
- 影響: 長時間同じ姿勢でいることや不適切な姿勢が筋肉の緊張を引き起こし、頭痛の原因になります。
- 具体例: 中村さん(35歳、男性)は、デスクワークが多く、特に午後になると首や肩の緊張からくる頭痛に悩まされます。例えば、一日中デスクで作業を続けた日の夕方に、強い頭痛が発生します。
- ストレス
- 影響: 精神的なストレスが筋肉の緊張を引き起こし、緊張型頭痛の原因となります。
- 具体例: 斉藤さん(29歳、女性)は、仕事のストレスが原因で緊張型頭痛が発生します。例えば、プレゼンテーションの準備が続いてストレスが溜まると、頭痛が頻発することがあります。
- 睡眠不足
- 影響: 十分な睡眠が取れないと、疲労と筋肉の緊張が増し、頭痛を引き起こすことがあります。
- 具体例: 松本さん(31歳、男性)は、夜遅くまでスマートフォンを見ているため、睡眠不足が続き、朝から頭痛を感じることが多いです。例えば、週末に夜更かしをした翌日、午前中に頭痛がひどくなることがあります。
発症機序:
- 筋肉の緊張やストレスが原因とされる
- 姿勢の悪さや眼精疲労も関与
治療法:
- 鎮痛薬(例:アセトアミノフェン、イブプロフェン)
- 筋弛緩薬
- 非薬物療法(例:理学療法、マッサージ)
予防法:
- 良い姿勢の保持
- 定期的なストレッチや運動
- ストレス管理(例:ヨガ、瞑想)
2.片頭痛
症状:
- 激しいズキズキした痛み(脈打つような痛み)
- 通常は頭の片側に発生
- 吐き気、嘔吐、光や音に対する感受性が増加
片頭痛を引き起こす生活習慣や要因の例
- 特定の食品や飲み物
- 影響: チョコレート、チーズ、ワインなどが片頭痛のトリガーになることがあります。
- 具体例: 佐々木さん(27歳、女性)は、チョコレートを食べると片頭痛が起こることが多いです。例えば、おやつにチョコレートを食べた後、数時間以内に片頭痛が始まることがあります。
- 不規則な食事
- 影響: 食事を抜いたり、遅い時間に食事を取ることが片頭痛の原因になることがあります。
- 具体例: 小林さん(33歳、男性)は、昼食を抜くことが多く、その日の午後に片頭痛が発生することが多いです。例えば、忙しい日の昼食を取らなかった日は、夕方に片頭痛が始まります。
- 睡眠不足や過剰な睡眠
- 影響: 不規則な睡眠や過度な睡眠も片頭痛を引き起こす要因となります。
- 具体例: 木村さん(40歳、男性)は、休日に長時間寝すぎると片頭痛が起こることがあります。例えば、普段は6時間の睡眠ですが、週末に10時間寝た翌日に頭痛が発生することがあります。
- カフェインの過剰摂取
- 影響: カフェインの過剰摂取や急なカフェイン摂取の中止が片頭痛のトリガーになります。
- 具体例: 山田さん(28歳、女性)は、毎日コーヒーを数杯飲みますが、ある日突然カフェインを摂取しなかった日は、夕方に片頭痛が始まります。例えば、いつもの朝のコーヒーを飲み忘れた日に片頭痛が発生することが多いです。
- 気候変動
- 影響: 気圧の変化や天候の変化が片頭痛の発作を誘発することがあります。
- 具体例: 田村さん(45歳、男性)は、気圧の変化に敏感で、低気圧が接近すると片頭痛が起こることが多いです。例えば、天気予報で低気圧が近づいていると報じられた翌日に、頭痛がひどくなることがあります。
発症機序:
- 脳内の血管が拡張し、神経伝達物質の放出により痛みが引き起こされる
- 遺伝的要因が関与している場合が多い
治療法:
- 急性期治療:トリプタン製剤(例:スマトリプタン)、エルゴタミン製剤、鎮痛薬(例:イブプロフェン、アセトアミノフェン)
- 予防治療:ベータ遮断薬(例:プロプラノロール)、抗てんかん薬(例:トピラマート)、抗うつ薬(例:アミトリプチリン)
予防法:
- 規則正しい生活習慣(食事、睡眠)
- ストレス管理
- トリガー(特定の食品、アルコール、カフェインなど)の回避
3.群発頭痛
症状:
- 片側の目の周囲やこめかみ、額に感じる非常に激しい痛み
- 痛みは15分から3時間続く
- 涙目、鼻づまり、瞳孔縮小、まぶたの下がりなどを伴う
群発頭痛を引き起こす生活習慣や要因の例
- 喫煙
- 影響: タバコのニコチンが血管を収縮させ、群発頭痛の発作を誘発する可能性があります。
- 具体例: 山本さん(40歳、男性)は、群発頭痛の発作期に喫煙を続けています。例えば、仕事の休憩中にタバコを吸った後、その後1時間以内に激しい頭痛が発生することがよくあります。
- アルコール摂取
- 影響: 特に赤ワインやビールに含まれるチラミンやチロシンがトリガーとなることがあります。
- 具体例: 田中さん(50歳、男性)は、アルコール摂取後に群発頭痛が誘発されることがあります。例えば、友人との食事でビールを2杯飲んだ数時間後、強烈な頭痛に襲われることが多いです。
- 不規則な睡眠パターン
- 影響: 睡眠不足や不規則な睡眠時間が群発頭痛の発作を誘発する可能性があります。
- 具体例: 佐藤さん(35歳、女性)は、連日の夜更かしが続くと群発頭痛が悪化します。例えば、週末に遅くまで映画を観ていた翌日、朝から激しい頭痛に見舞われることがあります。
- ストレス
- 影響: 長期間にわたるストレスや精神的な緊張が群発頭痛のトリガーとなることがあります。
- 具体例: 鈴木さん(45歳、男性)は、仕事のプレッシャーが強まると群発頭痛が頻発します。例えば、重要なプロジェクトの締め切り前の週に、毎日強い頭痛が起こることがあります。
- 特定の食品
- 影響: チーズやチョコレートなど、チラミンやグルタミン酸などの成分が群発頭痛の原因となることがあります。
- 具体例: 井上さん(30歳、女性)は、チーズを食べた後に群発頭痛が発生することがあります。例えば、夕食にピザを食べた数時間後、夜中に目が覚めるほどの強い頭痛に襲われることが多いです。
- 気候変動
- 影響: 気圧の変化や季節の変わり目が群発頭痛の発作を引き起こすことがあります。
- 具体例: 高橋さん(40歳、男性)は、気圧の急激な変化に敏感です。例えば、天気予報で低気圧が近づいていると報じられた翌日、朝から激しい頭痛が始まることがあります。
発症機序:
- 視床下部の異常が関与
- 三叉神経に関連する血管の拡張
治療法:
- 急性期治療:トリプタン製剤(例:スマトリプタン)、高流量酸素療法
- 予防治療:ベラパミル、リチウム、ステロイド
予防法:
- アルコールやタバコの制限
- 規則正しい生活リズム
まとめ
頭痛の種類には片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛があり、それぞれの症状、発症機序、治療法、予防法が異なります。
適切な診断と治療により、これらの頭痛を効果的に管理することが可能です。
自分の頭痛のタイプを理解し、専門医と相談することが重要です。
頭痛とお天気や季節の変化の影響のまとめ
頭痛の発症は季節や気象状況と密接に関連していることが多いです。ここでは、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛のそれぞれについて、季節や気象状況との関係を詳しく説明します。
1.緊張型頭痛と気象状況
関係: 緊張型頭痛は気温の変化や季節の変わり目によって悪化することがあります。特に寒冷期には筋肉の緊張が増し、頭痛が発生しやすくなります。また、天候によるストレスや気圧の変動も影響を与えることがあります。
2.片頭痛と気象状況
関係: 片頭痛は気圧の変化、特に気圧の低下により誘発されることが多いです。また、季節の変わり目や湿度の変化も片頭痛の発症に影響を与えます。
3.群発頭痛と気象状況
関係: 群発頭痛は季節性があり、特定の季節(春と秋)に集中して発生することが多いです。気圧の変動や日照時間の変化が影響を与えていると考えられます。
季節ごとの対策
春
- 緊張型頭痛:暖かい日が増えるので、外出時にリラックスする時間を設け、ストレッチを行う。
- 片頭痛:低気圧の日には予防薬を早めに服用し、ストレスを避けるように心がける。
- 群発頭痛:発作期に備えて予防薬を準備し、早めの治療を行う。
夏
- 緊張型頭痛:冷房の効きすぎによる肩や首の冷えを防ぐため、ブランケットやストールを使用。
- 片頭痛:高温や湿度の変化に注意し、エアコンで適度な温度を保つ。
- 群発頭痛:夏は比較的発作が少ない時期だが、アルコール摂取に注意する。
秋
- 緊張型頭痛:急な気温の変化に対応するため、暖かい服装と筋肉のストレッチを行う。
- 片頭痛:気温の低下と低気圧に注意し、予防薬を適切に使用する。
- 群発頭痛:発作期に備えて酸素療法の設備を整え、予防薬を準備する。
冬
- 緊張型頭痛:寒冷期に肩や首を温めるために、ホットパックや温かい飲み物を使用する。
- 片頭痛:寒さによる血管収縮を防ぐため、頭を暖かく保つ。
- 群発頭痛:冬は発作が少ないことが多いが、ストレスを避け、規則正しい生活を心がける。
まとめ
気象状況や季節の変化は頭痛の発症に大きな影響を与えることがあります。
気象状況に応じた適切な対策を講じることで、頭痛の発生を予防し、症状を管理することが可能です。
個々の頭痛タイプに合わせた対策を行い、専門医と相談して適切な治療法を見つけることが重要です。
頭痛とホルモンの影響のまとめ
頭痛とホルモンの関係は非常に密接であり、特に片頭痛はホルモンの変動によって強く影響を受けることが知られています。
ここでは、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛の各種頭痛とホルモンの関係を生理学的な機序を含めて詳しく説明します。
1.緊張型頭痛とホルモン
関係: 緊張型頭痛は主に筋肉の緊張やストレスが原因ですが、ホルモンの影響も一部関与しています。
特にストレスホルモンであるコルチゾールのレベルが緊張型頭痛に影響を与えます。
機序:
- ストレスホルモン(コルチゾール):ストレスが増加するとコルチゾールの分泌が増え、これが筋肉の緊張を引き起こし、緊張型頭痛を誘発することがあります。
2.片頭痛とホルモン
関係: 片頭痛は女性に多く見られ、特にエストロゲンの変動が大きな影響を与えます。
月経周期、妊娠、更年期などのホルモン変動が片頭痛の発生に関与しています。
機序:
- 月経周期:エストロゲンとプロゲステロンのレベルが急激に変動することで片頭痛が誘発されることが多いです。特にエストロゲンの急降下が片頭痛を引き起こします。
- 妊娠:妊娠中はエストロゲンとプロゲステロンのレベルが高く保たれるため、片頭痛の頻度が減少することがあります。
- 更年期:更年期におけるホルモンの変動も片頭痛に影響を与えることがあります。
3.群発頭痛とホルモン
関係: 群発頭痛の発症には視床下部が関与しており、これは日内リズムやホルモンの調節に重要な役割を果たしています。
特にメラトニンやコルチゾールの分泌が群発頭痛に影響を与えることが示唆されています。
機序:
- メラトニン:視床下部の機能不全によりメラトニンの分泌が乱れることが、群発頭痛の発作に関与している可能性があります。
- コルチゾール:群発頭痛の発作は通常夜間や早朝に起こることが多く、これも日内リズムに関連するホルモンの変動が影響していると考えられます。
まとめ
各種頭痛とホルモンの関係は以下のようにまとめられます:
- 緊張型頭痛:ストレスホルモンであるコルチゾールが筋肉の緊張を引き起こし、頭痛に影響を与える。
- 片頭痛:エストロゲンの変動が大きな影響を与え、月経周期や妊娠、更年期に関連する。
- 群発頭痛:視床下部の機能不全によりメラトニンやコルチゾールの分泌が乱れ、発作に影響を与える。
頭痛の発症とホルモンの関係を理解し、適切な治療と予防策を講じることで、症状を効果的に管理することが可能です。
専門医と相談し、自分に合った治療法を見つけることが重要です。
東洋医学と鍼灸治療からひと言
今回の「緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛の発症原因から対処症、予防法まで完全網羅」はいかがだったでしょうか?
西洋医学的な頭痛を基本的に考えて記しました。
鍼灸師からひと言(笑)。どんな種類の頭痛も、鍼灸治療が第一選択肢であると考えています。
東洋医学、鍼灸治療の視点で頭痛を診るとまた違った世界になりますし、長年の頭痛から解放される方は非常に多くいらっしゃる事実をもっと伝えたいと思いますが、それはまたの機会に。