ホリス流健康習慣その1.丹田(腹圧)呼吸法
私たちの健康には、酸素がとても大切です。
実際に、大気、空気を変えることはできません。
また、酸素の吸収を高める方法も簡単にはできないものがあります。
日々、その時々に出来る方法として、あなたに適した呼吸法を身につけるととても大きなパワーにつながると思います。
金井 進さんによる健康習慣その1Contents
お薦め呼吸法
呼吸法には様々な種類があり、それぞれが異なる健康効果をもたらします。
以下にいくつかの代表的な呼吸法とその方法、健康効果、作用機序、分子生物学的解釈について詳しく説明します。
1. 腹式呼吸
方法:
- 仰向けに横になり、片手を胸に、もう片方の手をお腹に置きます。
- 鼻からゆっくりと息を吸い込み、お腹が膨らむのを感じます。胸はあまり動かないようにします。
- 口からゆっくりと息を吐き、お腹がへこむのを感じます。
- これを数回繰り返します。
健康効果:
- ストレスの軽減
- リラクゼーションの促進
- 呼吸器機能の改善
作用機序: 腹式呼吸は、横隔膜の動きを強調することで、肺の下部まで空気を送り込み、効率的なガス交換を促進します。また、副交感神経を刺激し、リラクゼーション反応を引き起こします。
分子生物学的解釈: 腹式呼吸は、交感神経と副交感神経のバランスを整え、副交感神経優位の状態を促進します。これにより、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が減少し、リラックス効果が得られます。
2. 箱呼吸法
方法:
- 座った状態で背筋を伸ばします。
- 4秒間かけて鼻から息を吸い込みます。
- 4秒間息を止めます。
- 4秒間かけて口から息を吐きます。
- 4秒間息を止めます。
- これを数回繰り返します。
健康効果:
- ストレスの軽減
- 集中力の向上
- 感情の安定化
作用機序: 箱呼吸法は、呼吸のリズムを整え、心拍数の変動を安定させます。これにより、神経系の調整が促進され、ストレスの軽減や集中力の向上が期待されます。
分子生物学的解釈: 箱呼吸法は、酸素供給のリズムを調整し、酸化ストレスの減少に寄与します。また、呼吸の制御によって神経伝達物質のバランスが整えられ、心の安定がもたらされます。
3. 呼吸ヨガ
方法:
- 座った状態で背筋を伸ばします。
- 片方の鼻孔を指で閉じ、もう片方の鼻孔からゆっくりと息を吸い込みます。
- 息を吸い込んだら、閉じていた鼻孔を開き、もう片方の鼻孔を閉じて息を吐きます。
- これを交互に繰り返します。
健康効果:
- 呼吸器系の強化
- メンタルの安定化
- 全身の酸素供給の改善
作用機序: 呼吸ヨガは、交互に鼻孔を使うことで、左右の脳半球をバランスよく刺激し、心身の調和を図ります。また、深い呼吸によって酸素供給が最適化されます。
分子生物学的解釈: 呼吸ヨガは、酸素と二酸化炭素の交換を効率化し、酸素欠乏を防ぎます。また、深い呼吸によってミトコンドリアの機能が向上し、エネルギー代謝が促進されます。
ホリス流、丹田(腹圧)呼吸法
ホリス式丹田呼吸法は、腹式呼吸と箱式呼吸、そして、腹圧をかけることを一度に体得することを目的にしています。
日々の動きを腹圧をかけながら動くことができるようになると、生活動作そのものが健康増進に役立つ動作になり、動けば動くほど元気になります。
方法:
- 仰向けに横になり、片手をおへそに、もう片方の手を丹田(おへその下)に置きます。
- 鼻からゆっくりと息を吸い込み、丹田が膨らむのを感じます。胸はあまり動かないようにします。
- 「うっ」といきみ腹圧をかけ、3秒腹圧をかけ続けます。
- 口からゆっくりと息を吐き、丹田がへこむのを感じます。
- これを数回繰り返します。
これらの呼吸法を日常生活に取り入れることで、健康度をあげることに役立てることが出来ます。
補足:腹圧のかけ方:
- 息を止め、丹田に吸い込んだ空気を骨盤内に押し込む感覚で腹圧をかけます。
- トイレでいきむときの要領です。
- この時、腹部、骨盤内部に圧力がかかるのを感じます。
- 初めての方は、腹筋を引き締めることで腹圧をかけることから始め、慣れてきたら、腹筋はリラックスして腹部の内部から腹圧をかけるようにします。
健康効果
- コアの強化: 腹圧をかけることで、腹筋、背筋、骨盤底筋などのコアマッスルが強化されます。
- 姿勢の改善: 腹圧をかけることで脊柱の安定性が増し、正しい姿勢を保ちやすくなります。
- 腰痛の予防と軽減: 腹圧をかけることで、脊柱にかかる負荷が減少し、腰痛の予防や軽減に役立ちます。
- 内臓の支持: 腹圧を高めることで、内臓の位置が適切に保たれ、消化機能の改善が期待されます。
作用機序
腹圧をかけることで、腹腔内圧が増加し、これにより以下の効果が得られます。
- 脊柱の安定化: 増加した腹圧が腹腔と脊柱の間の圧力を均等に分散し、脊柱の安定性を高めます。
- 筋肉の活性化: 腹圧をかけることで、腹直筋、内外腹斜筋、横隔膜、骨盤底筋などのコアマッスルが同時に活性化されます。
- 呼吸パターンの調整: 呼吸と連動して行うことで、呼吸パターンが整い、副交感神経が優位になるため、リラクゼーション効果も得られます。
分子生物学的解釈
腹圧をかけることにより、以下のような分子レベルでの変化が生じます。
- 酸素供給の向上: 深い呼吸を伴う腹圧呼吸法は、肺胞での酸素と二酸化炭素のガス交換を促進し、全身への酸素供給を改善します。
- ホルモンバランスの調整: 腹圧呼吸法による副交感神経の優位性は、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制し、リラックス状態をもたらします。
- ミトコンドリアの機能改善: 深い呼吸と筋肉の活性化は、細胞内のミトコンドリアの酸素利用効率を高め、エネルギー代謝を促進します。
以上のように、腹圧をかける方法を日常的に取り入れることで、コアの強化や姿勢の改善、腰痛の予防など、様々な健康効果が期待できます。
東洋医学、鍼灸治療からひと言
今回の「ホリス流健康習慣その1.丹田(腹圧)呼吸法」は、いかがだったでしょうか?
私は、子供のころから剣道をしていて、座禅などに親しみ、鍼灸の道に入ってからも呼吸法には興味を持ち、研究をしてきました。
特に、腹式呼吸、長く吐く腹式呼吸を実践してきましたが、思うような結果につながらなかった経験があります。
そこで、一昨年までは、「呼吸法は、宗教だ!」と言っていました。
つまり、信じる人には効果がでるのではないか?万人向けには難しいのではないか?と思っていました。
しかし、昨年末から急に今までの間違いに気がづきました。
つまり、上手に丹田まで息を吸い込むことができていなかったのです。
で、丹田までしっかり息を吸い、腹圧をかけ、吐くという手順にすると、ガラッと変わったんです。
皆様も是非、やってみてください。
もしも、分からないことや、効果など感じたことがありましたら、コメントをいただけますと幸いです。