〇〇すると目が悪くなる?
「暗いところで本を読むと目が悪くなる」 「ゲームばかりしていると目が悪くなる」 と言われました。
本当に視力が落ちるのですか?
どうして視力が落ちるのですか?
落ちた視力を戻すことはできますか?
3DゴーグルやVRゴーグル、使いすぎると目が悪くなりますか?
金井 進さんによる視力視力が悪くなる原因
視力が悪くなる要因について、具体的に説明します。
1. 近視(Myopia)
機序(生理学的・解剖学的)
- 眼球の長軸の延長: 近視は、眼球が前後に長すぎることによって引き起こされます。この状態では、遠くの物からの光が網膜の手前で焦点を結び、像がぼやけます。
- 角膜と水晶体の屈折力の強さ: 屈折力が強すぎるため、光が網膜に到達する前に焦点が結ばれます。
例題 子供が教室の黒板を見るのに苦労している場合、近視である可能性があります。これは、長時間の近距離作業(例えば、読書やスマホの使用)が眼球の前後軸を延長させ、遠くを見る能力が低下するからです。
2. 遠視(Hyperopia)
機序(生理学的・解剖学的)
- 眼球の短軸の短縮: 遠視は、眼球が前後に短すぎることによって引き起こされます。この状態では、近くの物からの光が網膜の後ろで焦点を結び、像がぼやけます。
- 角膜と水晶体の屈折力の不足: 屈折力が弱すぎるため、光が網膜に到達する前に正確に屈折しません。
例題 子供が教科書を読むのに苦労している場合、遠視である可能性があります。
これは、近くの物を見るときに眼球が短すぎるため、近距離の焦点を正確に合わせることができないからです。
3. 乱視(Astigmatism)
機序(生理学的・解剖学的)
- 角膜や水晶体の不規則な形状: 乱視は、角膜や水晶体が完全な球形でないために引き起こされます。このため、光が網膜上で複数の焦点を結び、像が歪んで見えます。
例題 夜間の運転中に、街灯や車のヘッドライトがにじんで見える場合、乱視の可能性があります。これは、角膜や水晶体の不規則な形状が光を不均一に屈折させ、視界に歪みを生じさせるためです。
4. 加齢による変化
老眼(Presbyopia)
機序(生理学的・解剖学的)
- 水晶体の硬化: 年齢とともに、水晶体が弾力性を失い、硬化します。このため、近くの物に焦点を合わせる能力が低下します。
- 毛様体筋の劣化: 水晶体の形状を変えて焦点を調整する毛様体筋が劣化し、調節力が低下します。
例題 40歳を過ぎると、新聞やスマホの画面が見えにくくなり、腕を伸ばして読むようになることがあります。
これは老眼の典型的な症状で、水晶体の硬化と毛様体筋の劣化が原因です。
5. 眼疾患
白内障(Cataract)
機序(生理学的・解剖学的)
- 水晶体の濁り: 白内障は、水晶体が濁ることで、光が正しく通過できず、視界がぼやけます。
例題 高齢者が視界の霞みやぼやけを訴える場合、白内障の可能性があります。
これは水晶体のタンパク質が変性し、光の透過を妨げるためです。
緑内障(Glaucoma)
機序(生理学的・解剖学的)
- 眼圧の上昇: 緑内障は、眼圧が上昇し、視神経が圧迫されることで引き起こされます。これにより、視神経が損傷し、視野が狭くなります。
例題 視野の欠損やトンネル視野が現れた場合、緑内障の可能性があります。
これは眼圧が上昇し、視神経が損傷するためです。
黄斑変性症(Macular Degeneration)
機序(生理学的・解剖学的)
- 黄斑の劣化: 黄斑変性症は、網膜の中心部分である黄斑が劣化することで、中心視力が低下します。
例題 視界の中心がぼやけたり、歪んで見えたりする場合、黄斑変性症の可能性があります。
これは黄斑が劣化し、中心視力が損なわれるためです。
眼精疲労(Asthenopia)
機序(生理学的・解剖学的)
- 過剰な近距離作業: 長時間、パソコンやスマホを見続けることで、毛様体筋が過度に緊張し、眼精疲労が蓄積します。
- 不適切な照明: 暗い場所や明るすぎる場所での作業は、目に余計な負担をかけます。
例題 一日中パソコン作業をしていると、目が乾燥し、痛みやぼやけが生じることがあります。
これは、目の筋肉が過度に緊張し、疲労が蓄積するためです。
暗いところで本を読むと
視力が悪くなる理由
- 目の疲れ: 暗い場所で本を読むと、目が文字をはっきりと捉えようとして余計に働きます。このため、目が疲れてしまい、長時間続けると眼精疲労になります。
- 瞳孔の拡大: 暗い場所では瞳孔が開いて光を多く取り込もうとします。この状態で長時間読書を続けると、目にかかる負担が増えます。
解決策
適切な照明の下で本を読むことで目の疲れを防ぐことができます。
また、定期的に休憩を取り、目を休めることも重要です。
ゲームばかりしていると
視力が悪くなる理由
- 近距離作業の継続: ゲームは通常、画面を近距離で長時間見ることを要求します。これにより、目の筋肉が緊張し続けるため、眼精疲労や近視が進行する可能性があります。
- ブルーライトの影響: デジタル画面から発せられるブルーライトは、長時間浴びると目に悪影響を及ぼすことがあります。特に夜間にブルーライトを多く浴びると、睡眠障害にもつながることがあります。
解決策
- 定期的な休憩: 20-20-20ルールを守る(20分ごとに20秒間、20フィート(約6メートル)先を見る)。
- ブルーライトカット: ブルーライトカットのフィルムやメガネを使用する。
- 画面との距離: 画面との距離を適切に保つ(目と画面の距離を40〜70センチメートル程度にする)。
3DゴーグルやVRゴーグルの使用で
視力が悪くなる理由
- 視覚的適応の困難: 3DやVRゴーグルを使用すると、現実とは異なる視覚的な情報が目に入ります。これにより、目と脳が適応するのが難しくなり、眼精疲労が生じやすくなります。
- 近距離のスクリーン: VRゴーグルは目の非常に近くにスクリーンが配置されており、これが長時間続くと視力に悪影響を及ぼす可能性があります。
解決策
- 使用時間の制限: 長時間連続して使用しないようにする。
- 適切な休憩: 定期的にゴーグルを外し、目を休める時間を設ける。
- 調整機能の活用: ゴーグルの焦点調整機能を活用し、目に最適な状態に調整する。
落ちた視力を戻す方法
- 視力矯正手術: レーシックやPRKなどの視力矯正手術が視力回復に有効です。
- メガネやコンタクトレンズ: 適切な矯正用具を使用して視力を補正する。
- 視力トレーニング: 目の筋肉を鍛えるためのトレーニングやリラクゼーション法を取り入れることもありますが、効果には個人差があります。
具体例
例えば、夜遅くにベッドで暗いライトの下で本を読んでいるとします。
この状況では、目が細かい文字を認識するために余計な力を使うことになり、眼精疲労が起こります。同様に、連続して何時間もテレビゲームをプレイすると、目の筋肉が疲れて視力が一時的に低下することがあります。
また、VRゴーグルを長時間使用すると、現実世界に戻ったときに目が焦点を合わせづらくなり、頭痛や目の疲れを感じることがあります。
以上のように、視力の低下を防ぐためには、適切な環境での読書やデジタルデバイスの使用、定期的な休憩、ブルーライト対策などが重要です。
東洋医学、鍼灸治療からひと言
以上が一般的な回答なのですが、ホリス治療院としては、視力低下には、目の使い方の癖が背因にあると考えています。
つまり、モノを見るときに、ボヤァっと大まかに見る傾向が多いと視力が低下し、焦点をフォーカスしてみる傾向の人は視力が低下しにくいと考えています。
焦点を合わせるエクササイズ
焦点を合わせる力をつけるためには、目の筋肉を鍛えるエクササイズが効果的です。
以下に、具体的なエクササイズとそれぞれの方法を例を用いて詳しく説明します。
1. ピント合わせエクササイズ(フォーカシング・エクササイズ)
方法
- 親指フォーカシング
- 親指を鼻の前約30センチメートルの距離に置きます。
- 親指を見つめ、5秒間じっと見つめます。
- 次に、視線を遠くにある物体(数メートル先)に移し、その物体を5秒間見つめます。
- この動作を5〜10回繰り返します。
例題
仕事の休憩時間に、オフィスのデスクに座りながら行うことができます。
机の上にあるペンを目の前に持ってきて、窓の外にある遠くのビルを交互に見つめると、目の焦点調整機能が鍛えられます。
2. ペンシル・プッシュアップ
方法
- 鉛筆を片手に持ち、腕を伸ばして鼻の高さに鉛筆を持ち上げます。
- 鉛筆の先端を見つめながら、ゆっくりと鼻に向かって鉛筆を近づけます。
- 鉛筆が二重に見える直前で止め、数秒間その位置を保ちます。
- 鉛筆を再び腕の長さまで遠ざけます。
- これを10〜15回繰り返します。
例題
勉強中やリラックスしている時に、ペンを使ってこのエクササイズを行います。
特に、デスクに座っている時に簡単に実施でき、数分で終わるため継続しやすいです。
3. 瞬間フォーカス
方法
- 親指を目の前約20センチメートルの位置に置きます。
- 親指を5秒間見つめます。
- すぐに遠くの物体に視線を移し、5秒間その物体を見つめます。
- これを10回繰り返します。
例題
公園を散歩している時に行うことができます。近くの木の葉を見つめた後、遠くのベンチを見つめるなど、散歩の途中で自然に組み込めます。
4. 20-20-20ルール
方法
- 20分ごとに20秒間、20フィート(約6メートル)先を見る。
- デジタルデバイスを使用する際に、このルールを意識的に守ります。
例題
長時間コンピュータを使用している場合、アラームを設定し、20分ごとに休憩を取ります。
窓の外の景色を見たり、部屋の反対側にあるポスターを見たりして、目をリラックスさせます。
5. 図形追跡エクササイズ
方法
- 親指を前方に伸ばして鼻の高さに置きます。
- 親指を動かし、目で「8」の字を追いかけるようにします。
- 親指が視界の端に来たときも、頭を動かさずに目だけで追います。
- これを5回行います。逆方向にも行います。
例題
テレビを見ている時や待ち時間に、このエクササイズを行います。
親指を使わずに、ペンや小さな物を持っても構いません。
まとめ
これらのエクササイズを日常的に取り入れることで、目の筋肉を鍛え、焦点を合わせる力を向上させることができます。
特にデジタルデバイスを多用する現代では、意識的に目を休める時間を設けることが重要です。
定期的な視力検査も併せて行うことで、視力低下の早期発見と対策が可能になります。